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呼び名
藤井陸 / FUJII Riku
僕の名前は「藤井陸」です。
よく人から「藤井隆」と誤解されます。
今年度に入って 9 回間違えられました。
誰しもが自身の正体を明らかにする際に命名された名前を名乗っています。
実名や芸名、あるいは匿名で形容された正体を、名乗りと名指しによって区別をつけた認識をします。
命名された指示対象が呼ばれる事によって人々の世界に位置を占めすのなら、制作活動における僕の 正体は「藤井陸」という呼び名によって捉える事が出来る筈で。
「藤井陸」と固有名を名乗る人たちがいます。
それぞれが「藤井隆」とよく誤解されています。
「制作をする美術家の藤井陸」
「作詞をする音楽家の藤井陸」
「漫才をする演芸家の藤井陸」
この人たちが自身の呼び名を誤解される悩みで集い名乗りあった固有名は、それぞれの正体を捉えて はくれませんでした。
僕たちはそもそもの固有名は譲れずに、説明する記述を足して形容し直す事で互いの正体を区別をして みたけど。
実際に会って肉声や肉筆によってお互いの正体を捉える事が出来て、その時僕は名前からから遊離し た何かになってしまった。
呼び名の目的が、単にあるモノを他と区別したり他の人との認識を共有するためにあるのなら、極端な 事を言えばその名は、「1234 5678 9012」とかのナンバリングの組み合わせでも良い筈で。
僕の正体は「藤井陸」でした。
名無しでいた僕に親は呼び名を与えて、その経緯や抱負や決意などを知らぬうちから僕は命名「藤井陸」 を名乗ってきました。
僕の正体は旧姓があった事など知らずに名乗ってた「藤井陸」でした。
名前を確かめようと繰り返し、幾度も自分の正体がわからなくなる。
名前が揺らぐ、人の世界に位置を失う。
本当にどうとでも呼べてしまえば正体も揺らぐ。
僕は名前を何度も呼んで見る、肉声と肉筆で。
なんとでも呼び名がついてしまうそれの正体を正しく捉える為に、位置を揺らぎながら正体を呼ぶ事で、名前の正体を確かめたいと思う。
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